おばちゃんの店
今日おばちゃんの店に行った。今働きにいっているところから歩いていけることが正月に会った時にわかり、昼休みに電話をしてからテクテクと15分ほど歩いていくと角っこでおばちゃんが待っててくれた。
おばちゃんは、母三姉妹の真ん中で、上下の姉妹とは、1人だけまったく違うタイプ。ちなみに、三人きょうだいって真ん中だけ違うよね、私の兄弟も真ん中の兄だけなんかちょっと違う。1人だけ体育会系。上下は文化系で収集癖有り。真ん中に言わせるとバカ兄妹なんだって。
母三姉妹の場合は、上下が芸術系というかなんちゅうかアングラ系というか、手に職系で、おしゃれとか美容とかに無頓着。で、真ん中のおばちゃんだけは、昔っからきれいにお化粧もしておしゃれさんだった。
おばちゃんの店はその名も<おしゃれの店 アオイ>。
茅場町のオフィス街の路地で化粧品やストッキング、洋服や小物のお店を開いている。
着くなり、うわーーーっと頭のどっかから蘇った懐かしい記憶、それはドアの飾り付け。私が小学生の頃、今のその場所におばちゃんがお店を移した時に、母がドアが寂しいからといって、粘着ビニールシートを切ってペタペタと貼って、木の絵の飾り付けをしていた。なんか楽しそうだったので数枚手伝わせてもらったような気がする。もう20年くらいたっているだろうに、それがまだきれいに残っていたのである。
近くのドトールにお昼を買いに行ったら、近所の文具屋の社長だというおじさんと「あら、お元気」と挨拶をかわしていた。その手の振り方はやはり母や下のおばちゃんには無い女らしさ(色気)があった(笑)。
お店の前に火消しの格好をしたおじさんが数人集まっていたら「毎年、出初め式の帰りに、ここの地主さんとこに挨拶にくるの」と教えてくれた。
お店の中で買って来たパンとコーヒーを食べていると「風邪ひいちゃってさあ」と常連さんが顔をのぞかせてちょっと立ち話をして、またね、と帰って行った。
なんかそれらの光景を見たら、今までお正月や法事の時にしか会わなかったおばちゃんの人生の一場面を垣間みたようで、うまくいえないけど、なんか、良かった。あのお店は、おばちゃんのお城なんだなあ。
飾ってあった小さいマトリョーシカは、10年以上昔、ある日突然大きな体のロシア人が、このマトリョーシカと何か交換してくれないか、とお店にやってきたんだとか。ストッキングや靴下と交換したら、たいそう喜んで帰っていったんだとか。
何十年も同じ場所でお店をやっているといろんな珍事件があったんだろうなあ。
帰りに口紅を3本もらった。きっと化粧っ気のないめいっこでさぞつまらないことだろう(笑)。今度遊びに行く時はおばちゃんのためにちゃんと化粧していこうっと。
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