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2006.03.10

池 燈籠 柿 蛙 木

060310_hatsudai

61年前、東京大空襲のあった3月10日の今日、
60年目に続き、今年も母の思ひ出巡りにつきあってきました。

+ + +

初台へ。
母は、日本橋・浜町(中州)で生まれました。東京も戦火が激しくなってきたときに、妹と二人、親元を離れ、母方の親戚をたよって疎開をしました。その生家を離れている間に、ここは爆風の通り道にする、という理由で軍の命令により、家が取り壊されてしまいました。母の父母と叔父伯母達は、家が無くなり、浜町から、代々木八幡へ移り住みましたが、そこも戦火で焼かれ、初台へ移り住んだそうなのです。なので、戦争が終わり、母が東京に戻ってきた場所が、初台だったそうなのです。

+ + +

母は、駅の前の道を歩きながら、約50年前の記憶をたどり、通りの先に見える大きな木を指差して「あの木のところまで行ってみたい。」と言いました。しかし、近づいてみても、見覚えのある家や通りが無く、頭をかしげながら、また駅の方へ戻ってきました。

「古くから住んでそうな人に聞いてみたら?」と私は言いましたが、もじもじして聞こうとせず、なんとか自力で行きたがるので、しばらくつきあってうろうろしましたが見つかりませんでした。

母が伯母に電話をすると一つの手がかりができました。
<その家は、今は渋谷区立の老人のための公共の施設になっている>ということでした。老人、と聞いて、私はピン!っときました。さきほど<敬老館前につき徐行!>という看板があったのです。

なぜかこういうときは、足が早くなります。すっごい早足でその看板のみえた角を曲がり、その施設の前にくると、確かに渋谷区立の施設でした。

ですが、母は、、建物に見覚えが無いなあ、、と自信なさげ。

ちょうど、従業員の方が帰り支度をして門を閉めようとされていました。なので、思い切って声をかけて事情を話してみると、
「そうですね、この建物は元は民家だったものを改築したので、こういう施設にはあまりない、ステキな古い庭に池があるのです。天井や壁などもところどころ残して使っているのです。」と。

「え!池!?」と、母の目の色が変わりました。

すると、この方、帰ろうとしていたのに、どうぞ、どうぞ、とまた鍵をあけて中へ入れてくれました。

そして、座敷の奥に広がる庭は、まさしく、かつて母が遊んだ庭だったのです!

「わーーーーーーー!池!池!この池の石を毎年暮れに磨いた!!!」と大騒ぎ。

当時たくさんあったという、燈籠もすでに傾いてしまったり、苔だらけになってしまっていたり、当時のまま、という訳ではありませんが、面影を残してそこにまだ存在してくれていたようです。

木もいくつかは、残っていました。大きな柿の木は、未だに毎年たくさんの実がなって、みんなで食べるのだそうです。(私の育った家にも大きな柿の木がありましたが、その位置関係がまるでいっしょ!母は、初台の家をおもって、結婚した家の庭の同じところに柿の木を植えたのだそうです。。)

興奮する母の話をここの施設の従業員の方は優しく聞いてくださいました。さすが、毎日ご老人の方と一緒にいる方!多分、今日そこに集った方達も、東京大空襲について話されていた方は多かったのだと思います。

そんな話の中で、春になると大きなガマガエルが出てくる、というのを聞いて、母はまた興奮しました。
「裏庭の岩にガマガエルが2匹住みついてた!」と。

この家の住人は、母達のあと、どんな方達が移り住んだかはわかりませんが、ガマ達だけは、先祖代々そこに住んでいるのかもしません。

母は、家に帰ってからもわざわざ電話をしてきて
「ガマガエルに会いたい。」と言っていました。
小さい頃、ガマガエルを追っかけ回して遊んでいたそうです。
ガマの方は、会いたくないかもしれませんね(笑)。

+ + +

2年続いたから、また来年もどっか行く?と聞くと、
あんまりたて続けに、思い残すことをなくすと
まだまだやりたいこと、つくりたいものがたくさん
あるから、来年は、やめとく!と言っていました(笑)。

+ + +

あ!そうそう、その施設の二階に案内してもらったとき、窓の外に、最初に母が気になる!といって、近くまで行ってみた大きな木がどーんと見えていたのでした!

10代の頃の母は、窓からあの木を見ていたのですね。そして70代になった母が訪れた今日も変わらずそこにいてくれたということに、、ちょっと浸り過ぎと笑われてしまうかもしれないけど、、ありがとう!と娘として感謝の気持ちでいっぱいになりました。

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コメント

yo!さん、こんにちは。
とてもいい話ですねー。池が見つかったところで鳥肌たちました。
去年の話も読んだときじーんとしたんですよ。
yo!さんは親孝行だ~。

投稿: balloon | 2006.03.12 00:07

balloon さん
こんにちは!! 池 燈籠 柿 蛙 木と続々と母の記憶とぴったりあっていく様子をみながら興奮しました!!
10代、20代と自由に好きなことばかりさせてもらったので(大変なのにお金のかかる私大の美大に行ったり、一人暮らしがしたい!といって家を出て行ったり、、)、今さらながらほんの少しだけ親孝行チックなことをしています。ですが、、いっしょにいるときは、「はやく誰かに聞いちゃいなよー」とか、ブーブーいいながらついていってるのですよ。文章にするとそこらへんが都合良くカットされております(笑)。

投稿: yo! | 2006.03.12 11:19

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